PERSON

誰もやったことの
ないことをやる。
そう、ジャカルタの
青い空に誓う。

  • 小林 陽祐 Yosuke Kobayashi
  • インドネシア・ジャカルタ事務所 所長
  • 2009年入社 大学院 法学研究科 租税法専攻修了

小林は、東洋一の規模を誇る鉄鋼団地の近隣で少年時代を過ごす。鉄鋼ビジネスは、“鉄の街”で育った彼にとって原点であった。その後、大学に進学した小林は、バックパックを背負って世界中を放浪する。タイのプーケットで、ある鉱山に立ち寄った時、資源というものがいかに国家の発展に影響を及ぼすのかを実感した。帰国後小林は、大学院の教授の勧めに従い銀行の内定を蹴って1年間留年し、東京貿易マテリアルに入社するのだった。

日本のために何ができるのか?
自分の働く軸は、決してブレない。

国のため、誰かのためになる仕事がしたい。それは、今も自分を貫く中心線です。
大学院では国際税務の研究していました。その流れで銀行を受験しましたが、軸はまったく変わらないと思っています。つまり、お金というツールを使って顧客の役に立つ、ひいては日本の金融経済を強くする、だから僕は銀行で働くのだ、と。しかし…
「お前のやりたいことは、本当にそれでいいのか?」
大学院の恩師の問いに、反発を感じながらも自問してみました。するとまず鉄鋼産業が思い浮かびました。そして資源ビジネスのこと。旅先で巨大な鉱山やパイプラインを目の当たりにし、資源調達や原料開発で日本に貢献できたら、と心躍らせたことを思い出します。僕は、鉄鋼や資材など“経済の素”を扱うことで国家のために働きたいんだ!いざ商社へ。自分の道は決まりました。

南太平洋の孤島で独り思う。
商社の仕事の充実感とスケール感。

最初は原料部に配属され、3年目の時、研修員(トレーニー)としてベトナムのハノイに赴任しました。帰国後、資源エネルギー部へ異動。ここで、“これこそ商社の醍醐味”というプロジェクトに参加することとなります。
南太平洋の孤島、ここでは、肥料原料が豊富に採掘されます。その輸入ビジネスを一手に引き受けているのが当社なのです。僕は2016年から本件にジョインしました。
いろいろと問題が発生しました。一番の課題は出荷管理の甘さです。自分が現地に行って最終の品質チェックをすることに。成田からオースラリアのブリスベンを経由して現地へ。乗り継ぎが悪いと1日以上かかる場合もあります。着いたら着いたで、レストランはあまりない、ホテルは高いし水はよく止まるなど、シビアな環境が待っています。
緊張感の中、1万トン級の船に原料を積んでいきます。立ち合いは大抵、夜通しになります。サンプルを採って1時間ごとに成分をチェック。それを延々繰り返す。汗を拭って、ふと夜空を見上げると満天の星。この空は、荷物を待つ、遠く日本の空にもつながっているんだなあ…。そんなことを思いながら、この仕事に対する充実感やスケール感を噛み締めていました。

3つの新たな取り組みが、
インドネシアで胎動を始めた。

今、ジャカルタで新しい事業づくりを推進しています。無限の伸び代があるこの国で、ど真ん中の鉄鋼関連事業を立ち上げようとしています。また、新しい原料開発にも着手しました。具体的にはバイオマス原料です。国を越えて地球全体の未来に寄与する、やりがい十分なビジネスだと思っています。
他方、既存事業の深掘りというミッションもあります。中国の合弁会社がつくる耐火レンガの販売事業で、今までの実績はゼロ。現地スタッフとともに、ローラー作戦で営業活動をスタートしたところです。

新たな事業が3つ、インドネシアで動き始めました。
「誰もやったことのないことをやる」。
これが我々の誓いの言葉です。
ジャカルタは、まだまだ僕を帰してくれそうにありません。